縫える!きれい!アンティークミシン│SINGER 職業用ミシン 103

レストア済みアンティークミシンアンティークミシン
Restored antique sewing machine

こんにちは、フランチェスカです。
アンティークミシンの購入を考えているとき、「ちゃんと縫えるのかな?」と、不安に思いながら探されてませんか?このブログ記事では、現在販売中のミシンをご紹介しながら、縫えて美しいアンティークミシンに仕上げるプロセスのお話しをしたいと思います。

レストア済みアンティークミシン
SINGER 職業用ミシン 103

SINGER 103│商品概要


まず、商品情報(概要)について_

  • メーカー:SINGER(シンガーミシン)
  • モデル番号:103
  • 生産:ドイツ/Wittenberge Prussia/1913年製
  • 分類:職業用本縫いミシン/足踏み式

ドイツ、プロイセンのヴィッテンベルゲ、かつてのシンガー工場で生産された
【SINGER Model 103】

生産から約110年_
たくさん仕事で使われたであろう経年のミシンでしたが、オーバーホール、レストア、調整を施して、外観も美しい、綺麗に縫えるアンティークミシンに仕上げました。

シンガー社製の職業用アンティーク足踏みミシン、SINGER1 03
100年以上前のアンティークミシン、オーバーホール、レストア、調整を施して、外観も美しく綺麗に縫えるミシンに仕上げました。

アンティークミシンのレストア


アンティークミシンは、先人の素晴らしい技術力と金属製のミシン部品で作り上げられたおかげで、100年以上時を経た現在にまで残っていて、修繕や修復次第で綺麗に縫えるミシンに甦ります。

アトリエではミシン本体を分解、オーバーホール、レストア、調整して綺麗に縫えて容姿も美しいアンティークミシンに復元しています。ミシン台など木製部分においては木肌に戻す作業から美しく仕上げます。

シンガー足踏みミシン
SINGER 103
足踏みミシンのうしろ側
SINGER 103 背面から

デカールのレストア


シンガー製の職業用ミシン【SINGER Model 103】には、
シンプルなタイプから豪華なものまで数種のデカールがあります。

なかでも、美しく豪華なアカンサス模様は人気が高く、探されている方もおられるのではないでしょうか。

しかし、ひとくちにアカンサスと言っても、よく見ると模様が少し違ったり、配置が違っていたり、生産された年や国また工場によっても違いがあったり…と、調べていくと実に奥深いんです。

レストア済みアンティークミシン
Restored antique sewing machine, SINGER 103

こちらの商品『シンガー 職業用ミシン|Singer 103 |アンティークミシン|1021』のデカールは、職業用ミシンよりも一回り大ぶりな工業用ミシンに多く見られるアカンサス模様と同じタイプなので、よりインダストリアルな雰囲気です。

レストア前のデカールは消失している箇所が多くて残念な印象でしたが、当時の金彩豪華なアカンサス模様のオリジナルを忠実に復元しました。

レストア済みアンティークミシンの本体
Sewing machine decals, faithfully restored to the original.│アカンサス模様、前面から

古い塗装を完全に剥がして、再塗装して、ベースをきちんと整えてからの復元ですので、とても美しく仕上がっています。

これからも長く美しさが保たれるよう_
最後の仕上げはクリアコーティングを何層にも施しています。

レストア済みアンティークミシン、うしろ側
The back side of a restored antique sewing machine│背面から

フェイスカバーにまで装飾が施され、非常に意匠性の高い逸品となっています。

職業用ミシンのフェイスカバー
The design is even applied to the face cover and it is very beautiful.│フェイス側から

豪華な金彩が甦りました。
110年〜むかし、ドイツの工場から出荷されたばかりの頃は、こんなに綺羅びやかだったのですね。

ミシン部品のオーバーホール


アンティークミシンの部品を分解してからひとつずつ丹念に磨き上げます。
もちろんミシン内部のパーツも細かく分解してオーバーホールを行います。

オーバーホール前の写真を撮ってなくて残念ですが、古くなって真っ黒に固まった油と埃や錆で固着して容易に外せない部品が多分にありましたが、これはアンティークミシン全般的によくあることで決して珍しくはありません。

ミシン部品、アンティークミシンのオーバーホール
lots of sewing machine parts
  • 装備されていた旧モデルの釜から現行ボビンが使用できるように新品の釜に交換しました。
  • その他、消耗品は新品に交換しています。
  • 内部ボックス内のグリースも新しいものに取り替えました。
シンガーミシン、垂直全回転釜
sewing machine hook

ミシン脚のレストア

  • ミシン脚のネジを外しパーツごとに分けてから手作業で汚れを落としてサビ取り。
  • さらにサビよけ処理を施して再塗装しています。
  • 独自ブレンドのアンティークゴールドで ”SINGER” のロゴを復元しています。
  • 仕上げは重ねてクリアコーティングしています。
足踏みミシン
treadle sewing machine

片側の脚はキャスター付きなので反対側を少し持ち上げると軽く移動できます。

シンガー足踏みミシン
antique sewing machine leg

ミシン台のレストア


足踏みミシン、天板などミシン台の木部レストアは、木肌に戻す作業から美しく仕上げていきます。

正確には傷やダメージ箇所を地道に埋めたり、貼ったり、つなげたり…という地道な作業を整えてから古いニスを削り落として木肌に戻すという、とても時間が掛かる工程ですが、【綺麗なアンティークミシン】に仕上げるための土台作りなので、とても大切な作業工程です。

ミシン台のレストア
※この画像は以前レストアしたシンガー職業用ミシンの天板ですが色付け前なので修復した箇所が見やすいですね。

こちらは、ご紹介中の商品【SINGER 103】の仕上がった天板
アンティーク感漂う重厚な仕上がりになりました。

シンガーミシンのバタフライ式天板
バタフライ式天板
  • 各パーツごとに分解して、傷んだ箇所の修復など下準備を整えてから、古いニスを全て削り落として、一旦木肌に戻し、色づけ、研磨、ニス、研磨、ニス..と、幾度も繰り返しています。
  • 劣化したネジは新しいものに交換しました。

試し縫い


試し縫いは下記の針と糸を使ってみました。

  • シーチング
    針DB1#11×糸60番
  • デニム4枚
    針DB1#18×糸20番
  • レザー2枚
    針DBF2#21×糸20番
    針DBF2#21×糸5番
ミシンの試し縫い、生地サンプル
Sewing with a Singer sewing machine.│職業用ミシンで縫ったステッチ

はい、綺麗に縫えました!

  • レストア前に装備されていた旧式の釜から新式に交換したので、ボビンケース、ボビン、針なども現在市販の工業用や職業用のものが使える仕様になりました。
  • レバー操作で返し縫いが可能。
  • 職業用ミシンは垂直全回転釜なので高速でパワーがあります!
アンティークミシン上糸の掛け方
SINGER 103

おわりに

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